ラブライブ!スーパースター!!2期第2話振り返り感想

1期生は2年生となり、新入部員桜小路きな子が加入した前回。

きな子の加入によってLiella!はどう変化していくのか?

 

ということで2期第2話について語っていく。

新入部員のきな子をもてなすシーンから始まる今回。

ここで積極的に後輩に絡んでいくのはやはり可可だ。

可可にとってはスクールアイドルに興味をもって入ってきてくれた後輩が可愛くて仕方がないのだろう。

チョコを先に取ろうとするすみれに「きなきなが先に取るデス〜」とブチギレる姿も微笑ましい。

すでにあだ名をつけて距離を縮めようとしているあたり積極的に仲良くしていきたい姿勢が見て取れる。

そして、かのんもまたきな子を誘った手前すごく気にかけており、かのんと可可は少ししゃがんできなこに合わせて目線を下げているあたりも細かい演出だ。

目線を合わせるというのは子供や高齢者に対して使ったりするテクニックで、上から見下すような目線だと威圧感があるため、目線を下げて合わせる事で安心感を与える効果がある。

優しい先輩ばかりではあるが、周りが全員先輩ということできな子は緊張している様子。

可可からラブライブを目指しているという話を聞いて、「ここに私も」と嬉しそうにしているあたり、きな子も大勢の人に注目されることにはやはり憧れがあるようだ。

 

気合を入れて練習に挑むも、運動が苦手で先輩に全くついていけないきな子は初日から激凹みしてしまう。

そんなきな子を真っ先に励ますのはここでも可可とかのん。

きな子は昔から運動が苦手でみんなに置いていかれていたとらしい。

自分には向いていないと思ってしまうのも無理はないレベルだ。

きな子を安心させるために、可可が最初は腹筋を一回もできなかった過去をバラすすみれは気を使っているつもりだが「それはもう過去のこと!」とガチギレする可可が面白い。

この子を安心させるために話を合わせなさいとすみれに言われ、ここでは合わせていくあたり、すみれへの怒りよりもきな子を励ましたい気持ちが上回っているということだろう。

実際可可も最初はすぐにパタリしていたが、今では他のメンバーと同じレベルでできている。

今のきな子にはまだわからないかもしれないが、視聴者は可可がどれだけ努力をして成長してきたのかがわかるし、きな子もいずれはこうなれるだろうという指標としてわかりやすい。

先輩というのは自分とは全然レベルが違うすごい人という風に見えてしまうが、先輩にもダメダメだった時代があるんだという歴史を感じさせる描き方は先輩後輩をしっかり描いていく本作だからこその面白いところだ。

昔の可可より全然凄いと言われて「そうなんすか?」いうきな子に「うん」と即答するかのんは地味に酷くて笑ってしまった。

 

きな子にセンターに立ってみるように促すかのん。

きな子と手を繋いで6人が横並びになる。

上下関係はあるが、グループとしては横並びの関係性になっていかなければいけない。

一人じゃないから歌える、手を繋いでおけば怖くない、第一段階としてはまずそこからだ。

そして応援が力になることを語るかのん。

歌えなかったかのんが仲間の存在とファンからの応援によって歌えるようになった。

かのんが実際に経験してきたことで、視聴者もそれを見てきているからこそ、かのんの言葉には説得力を感じる。

それを聞いて頑張ります!と笑顔で答えられるきな子はガッツがある。

可可はきな子のために自分が体力0だった時に行っていた秘密の練習メニューをきな子に渡す。

可愛いイラストも入れてわかりやすく1枚の紙にまとめられたメニューを後輩のために用意している可可先輩の優しさが胸に沁みる。

また、秘密の練習メニューというタイトルを付け、秘密を共有するという形にすることで特別な関係を作っているようにも思え、これも可可なりの距離の詰め方なのではないかと思う。

運動が苦手でスクールアイドルが好きという気持ちだけで必死に努力してきた可可だからこそ、誰よりもきな子に寄り添ってあげられる、本当にいい先輩だ。

そして無理せず自分のペースで頑張ろうと優しく声をかけるかのん先輩も優しい。

千砂都と恋はそこから少し距離を取り、新入部員が一人しかいないことで、比較対象が優勝候補の先輩5人だけになってしまうのは過剰に自分が遅れていると感じてしまうということを心配する。

スクールアイドル部は補欠とかもないので、いきなり先輩に並んでステージに立つ必要があるため相当なプレッシャーがあるだろう。

先輩から励ましてもらい、ルンルンで帰宅するきな子。

そこできな子に接触してくる四季。

四季はスクールアイドル部に興味があるメイの為に、部活がどんな感じか探りを入れてくる。

そしてきな子に何かお願いをする。

 

場面が切り替わり、朝5時から走り込みに向かうかのん。

そこで偶然可可のメニュー通り5時から走り込みをしているきな子に遭遇し、一緒に走り出す。

すぐにパタリしてしまうきな子に、ここでもかのんはしゃがんで目線を合わせ無理しないようにと優しく声をかける。

そこできな子は

 

「きな子、足を引っ張りたくないです!」

 

と言う。

運動が苦手だとか言い訳はしない。優勝を目指す先輩についていきたい。

なんて良い後輩なのか・・・

そんなきな子にかのんはこう声をかける。

 

「わかるよ。でも、ラブライブ!で優勝したい、それは大事な目標なんだ。それと同時に、みんなにスクールアイドルを楽しいって知ってもらいたい。きな子ちゃん以外の一年生にも楽しいなって思ってもらえて、一緒にやれたら最高だなって」

 

この言葉がもはや本作の答えと言っても過言ではない。

それくらいこれは重要なセリフだ。

優勝するためにストイックになりすぎて楽しむ余裕がなくなったら本末転倒。

しかし、エンジョイ勢になって勝負を捨てるのも違う。

どっちも大事で、この二つをちょうど良いバランスで保つことが何よりも大事。

ただ、口で言うのは簡単だが、この問題はものすごく難しい。

優勝を目指すことと楽しむこと、この二つの間で揺れ動いて迷い続けるのが2期のストーリーと言っても良いだろう。

 

 

「ナッツー!?日経平均全面安!?これは想定外ですの!このままでは今月の目標が!マニー!マニー!マニー!」

 

今回のオニナッツ劇場。

とにかく金に執着があるのは伝わってくる。

ということでこれにて今回のオニナッツ劇場は終了。

夏美主役回をしばし待たれよ。

 

四季がきな子にしたお願いというのは、メイをスクールアイドルに誘うことだった。

きな子は意を決してメイを部活に誘うが、反応は良くなく、体育館裏に呼び出されてしまう。

体育館裏に呼び出されるというシチュエーションは不良にカツアゲされる時の定番。

きな子は完全にメイを不良だと思い込み、カルボナーラパンを差し出すも、メイはそのつもりはなく、スクールアイドルの話をするな、スクールアイドルには興味はないと言い放つ。

しかしそれはどう考えても嘘である。

スクールアイドルに興味がない人間が、Liella!が屋上にいることに興奮したりはしない。

メイは本当はスクールアイドルに興味があるのに学校ではその気持ちを隠している。

四季はそれを知っていて、どうにかしてメイにスクールアイドルをやらせてあげたい、その為にクラスメイトでスクールアイドル部に入ったきな子を利用している。

1話で四季がきな子を屋上に連れて行ったのも、そういう事情だ。

メイは本心を隠している、だからメイはこのシーンでは勇気を出してスクールアイドル部に入ったきな子よりも下に、そして下手側に配置されている。

 

場面変わって体育のシーン。

きな子は元々運動が苦手な上、早朝から走り込みをしているためヘロヘロで、完全に置いて行かれている。

そんなきな子に寄り添ってあげるメイはやはり不良ではない。

クラスメイトからはきな子の様子を見てスクールアイドル部でよっぽどしごかれているのだろうと思われてしまう。

きな子はそういうことではないと説明するもうまく伝わらず、部員が増えるどころかスクールアイドル部は厳しそうという印象だけが一人歩きしていく。

 

「なんか、誤解されちゃってるんすかね・・・」

「気にすんなよ、みんな何も知らないんだよ」

 

実情を知らずに憶測で好き勝手言われるのは往々にしてあること。

メイはスクールアイドルのオタクをやっていく中で、好きなスクールアイドルがそうやって好き勝手言われて嫌な気持ちになった経験があるのだろう。

ラブライブのオタクをやっていてもそういうことは数えきれない程あるので気持ちはよくわかる。

 

目指せラブライブ優勝と描かれたポスターを浮かない表情で見つめるかのん。

相変わらず部員が増える様子はない。

きな子は自分が運動が苦手なせいで厳しい部活だという噂が広まり部員が増えないんだと言い出してしまう。

すぐに自分を下げてフォローしようとするすみれはやっぱり根は良いやつだ。

可可はここでも少ししゃがんで目線を合わせて励ましてくれる。

しかしすみれは可可の事情を知っているが故に、優勝に対するこだわりは強く、焦りを見せる。

ここで千砂都は練習メニューを軽くすることを提案。

きな子は反対するが、恋はスクールアイドルをこの学校に根付かせたいという花の意思を尊重したい想いで、その提案に賛成する。

かのんもそれに賛成し、目標をラブライブ優勝から出場へと変更することになる。

1期最終回で絶対に勝つんだという思いが芽生えたにも関わらず2期2話で早くもその気持ちは揺らいでしまうことになる。

元々困っている人を放ってはおけない性格のかのんは、やはりきな子一人に自分のせいだという気持ちを背負わせるのは耐えられない。

優勝の文字の上から出場と書かれたシールを貼るところはなんとも切ない。

練習メニューも大幅に軽くしたものに変更することに。

それを見たすみれはやはり焦るが、可可本人はそのことには触れてほしくないしまた不機嫌になってしまう。

可可にとってはきな子が楽しめない部活になることの方が大きな問題なのだ。

さらにたこ焼きを配ることで部員を集めようとする。

このたこ焼き作戦、一度も成功したことがない。

きな子は自分に気を使ってハードルを下げる結果になったことにまた責任を感じているようで浮かない表情をしている。

 

翌日、いつも通り5時に起床するが朝練は無くなったことを思い出す。

学校での練習も物足りなさを感じる1期生。

しかし、きなこにとってはこれでも限界で、先輩との大きな差を感じずにはいられない。

かのんはここでもしゃがんで目線を合わせて優しく励ましてくれる。

練習が終わったところで今度はメイに呼び出される。

 

「桜小路はさ、やてみたいって思ったんだろ?スクールアイドル。だから入ったんだろ?優勝目指してて、練習も厳しいって、知ってて入ったんだろ?だったら、そのまま突き進んでくれよ。自分がやりたい、目指したいって思ったことを信じてみろよ。周りの声なんて、気にするな」

 

このセリフ本当に好きすぎて何度見ても泣いてしまう。

スクールアイドルのオタクだからこそスクールアイドルの本質を突いている。

可可の「好きなことを頑張ることにおしまいなんてあるんですか?」と並ぶ本作屈指の名台詞と言っても過言ではない。

Liella!に入りたいという本心を隠しているメイにとって、勇気を出してLiella!に飛び込んだきな子に対しては強いリスペクトがあるはずだ。

自分にはできないことをできてしまっているきな子に対して憧れもあるし、こんなところで折れて欲しくないという気持ちがある。

メイはもはやきな子のファン1号と言ってしまってもいい。

そんなファンからの応援というものがきな子の力になる。

クーカーの時と同じような現象がここでも起きているのだ。

正面からのカットではきな子が下手側でメイが上手側なのに対して、後ろから写したカットではその位置が反転している、というのも本心を隠しているメイよりもLiella!に飛び込んだきな子の方が本当は強いということを意味しているようにも感じる。

 

相変わらず5時に起きてしまったかのんはいてもたってもいられず走り込みを始めてしまう。

そこにきな子、そして他のメンバーも偶然にも集結してしまう。

1期生5人ときな子の間には側溝があり、両者の間にはまだ溝があることを示すレイアウトになっている。

そこできな子はメイにもらった応援の力を胸に、自分の気持ちを5人にぶつける。

 

「きな子も、やっぱりLiella!さんたちと優勝目指して頑張りたいっす!きな子が憧れたのは、こんな風になりたいって思ったのは、優勝を目指して必死に頑張っている先輩たちなんです!大変でも、前向きに頑張っている先輩たちなんです!」

 

桜小路きな子、良い後輩すぎる。

 

「私もずっと思ってた、これが本当に良いことなのかなって。メニューを戻したら、一年生が入ってこなくなっちゃうかもしれない。きな子ちゃん一人ってことになってしまうかもしれない。それでも、頑張ってくれる?一緒に、優勝目指してくれる?」

「はい!きっと伝わると思うんです。大変でも、やりたいことを続けていれば、その先にある楽しさは大きくなるって。みんなが一緒にやってみたいって思うものが作れるんじゃないかって、そう思うんす!」

 

きな子の言葉を聞いてハッとした表情をする恋。

 

「その通りだと思います。信じましょう、スクールアイドルの力を。私たちの想いは、きっと届きます」

 

最初から答えなんてわかっていたはずだ。

優勝も大事、新入部員も大事、どっちも捨てられない。

結果的には、ただ元に戻っただけとも言える。

しかし、口だけならなんとでも言えるわけで、しっかり迷って、間違って、悩んだ末に自分たちで実感が伴った形で答えに辿り着けなければ意味がない。

そのための気づきを後輩のきな子から与えられるという構成が本当に素晴らしい。

桜小路きな子という最高の後輩が入ったことによってLiella!に良い影響をもたらしているという描写がしっかり入れることで、メンバーを増やした意味を感じさせるし、今までのシリーズにはない面白さをはっきりと打ち出せている。

これは2期が面白いものになるぞという予感を感じさせてくれる。

「危うく目標を見失うところだったね」と明るく言っている千砂都は、もしかしたら目標を変えてハードルを下げることは良くないことになるのではと気づいていたのかもしれない。

あえて一度失敗を経験させることで本来の目標を再確認し、迷いを捨てさせたかったのではないだろうか。

きな子の言葉を聞いて恋はハッとした表情をしているのに対し、千砂都の表情はここではわざわざ少し不自然に隠されている。

もしかしたら千砂都には全てお見通しだったのではないか、という想像が膨らむ。

今までの鬼ストイック嵐千砂都を知っていると、千砂都ならそういうことをやりかねないと思えてくる。

失敗をすることは決して悪い事ではない。

人は失敗から学びを得ることで成長できる。その繰り返しによって強くなっていくのだ。

 

1期生は指で星を作り、一箇所スペースを開ける。

1期生と線引きされていた側溝を飛び越え、きな子も星に加わる。

 

「私たちはLiella!、私たちが目指すのは、優勝!」

 

ここで改めてきな子を加えた6人のLiella!として優勝を目指すことを決意。

噴水が吹き上がり虹がかかるおまけ付きでまるで世界が祝福しているようだ。

 

6人で走り込みを行うシーンではきな子は相変わらず必死だが、以前はおばあちゃんが乗る三輪スクーター?に追い抜かれていたのが、今回はバテながらもおばあちゃんを追い抜けているという描写を入れることで、きな子も確かに成長しているのだと感じさせてくれる素晴らしい演出になっている。

 

そこにいかにも悪そうな新キャラ、ウィーン・マルガレーテが登場。

 

「渋谷かのん・・・」

 

一体何者!?という引きで3話へ続く。

 

ということで、話としては大きな動きはないものの、『2年生と1年生』というサブタイトルの通り、先輩後輩の関係性を今まで以上に描いていくことで、今までとは違った面白さを明確に打ち出せた回になっていると感じた。

前回も言ったように、やはり先輩としての可可がすごく良いキャラになっている。

運動が苦手だった過去があることで、誰よりもきな子に寄り添ってあげようとする姿勢が非常に良く、先輩っぽくないキャラだからこそ先輩として振る舞おうとしている良さが引き立っている。

本作では上手、下手や上下の位置関係でキャラクターの立場を描く演出が多用されているが、今回は後輩のきな子に対してしゃがんで目線を合わせるという描写が多く、それをしているのが可可とかのんの2人だけで、後輩との距離感がそれぞれ違うというのも面白い演出だと思った。

かのんは困っている人を放って置けないタイプだし、可可は後輩に寄り添ってあげたいという気持ちが人一倍強く、恋は生徒会長としてどっしりと構えていなければという気持ちで、千砂都は冷静に俯瞰的に全体を見ている、すみれは気を遣えるし優しいがそれよりも可可帰国問題が気になってそれどころじゃない、という印象だろうか。

優勝したいという気持ちと新入部員を入れていきたいという気持ち、どちらもあるが全員がその二つのどちらを優先したいかのバランスが異なっていて、一人一人違った考えを持った違う人間として丁寧に書き分けられている脚本がすごく良い。

また、先輩と後輩の実力差というところを逃げずに描いているところも高く評価している。

実力差の話は2期を通して描かれていくことになるので今は深くは触れないが、スクールアイドルとしてのスタート時期が違う時点で差があるのは当然であり、先輩に追いつきたいという気持ちと後輩に負けてられないという気持ちで先輩後輩が相互に成長していける関係性が素敵だと思う。

また、それをキャストを通してリアルな物語を観れるのがLiella!の面白いところ。

すでに1年ほど活動し、グループとしてかなりハイレベルな仕上がりになっている5人のLiella!の中に後から入っていく2期生の気持ちを想像するだけで震え上がってしまう。

実際かなりの苦労はあったと思うが、追いつきたいという気持ちで努力し徐々に馴染んでいき、ファンにも認められていく様をリアルに目の当たりにし、まさにアニメと同じだなと感じた。

キャラの物語とキャストの物語がシンクロし、相乗効果で盛り上がっていく、これぞまさにラブライブの真髄である。

キャラを増やしていくことには最初は賛否両論あったものの、スーパースターだからこそできること、スーパースターならではの良さというのをしっかり感じさせてくれる2期第2話で、改めて2期最高に面白いと思ったというのが正直な感想。

 

さて、次回は謎のライバルキャラっぽいやつと対決するのか?

2期第3話に続く・・・

 

ぉゎ