ラブライブ!は何が革新的だったのか
アイドルコンテンツといえば、アイドルマスターを初め様々な作品がある中で、ラブライブ!は何が革新的だったのか?を今、改めて深掘りしていこうと思う。
ラブライブならではの要素として『スクールアイドル』というものがある。
『スクールアイドル』とはなんなのかというと、学校の部活としてアイドル活動をする、という至ってシンプルなものだ。
部活物とアイドル物を掛け合わせただけの、誰でも思いつけそうなものではあるが、これこそがアイドルコンテンツに革命をもたらしたと言っても過言では無い。
アイドルを主人公にした物語を作る場合、基本的には芸能界というものを描く必要がでてくる。
アイドルとは、人間の魅力をお金に替える商売であり、そこには多数の大人の思惑が絡んでくるわけだ。
アイドルは個人で活動することは難しく、売れるアイドルにする為に大人が用意したものをこなしていき、ファンの理想を演じていく。
本来アイドルは表を作りこんで裏側は隠したいもの。
裏側には見せたくないもの、見ても楽しくないものがあるのだから。
しかし、アニメのような物語を描こうとした場合、むしろ裏側を見せることがメインとなってしまう。
アイドルアニメを見ようとする人はあくまでかわいい女の子を見たいのであって、わざわざ芸能界の裏側を見たい人は恐らく多くない。
だからといって、裏側のあまり美しくない部分を完全に排除すると嘘臭くなる。
実はアイドルアニメというのは物凄く難しいジャンルなのだ。
そこで、ラブライブ!は『スクールアイドル』という設定を導入した。
そうすることで、いとも簡単にアイドルと芸能界を切り離すことに成功してしまったのだ。
『スクールアイドル』は学校の部活として行われるため、商売ではない。
さらに、『スクールアイドル』は、作詞、作曲、振付、衣装、ステージ等、基本的に全て自分たちで用意する。
セルフプロデュースを強調する為に、顧問の先生等も一切出さない徹底ぶりで、ステージで表現されるものは全て彼女らの内側から出てきたものだ。
誰かに用意されたものではなく、ファンの理想を演じるでもない、売れる売れないも関係ない、自分たちが本当にやりたいことをやる、裏表のない自己表現。
それが『スクールアイドル』であり、アイドルと大きく違うところだ。
さらにもう1つ大きな特徴として、男性の排除がある。
ラブライブは今のところ全て女子校が舞台であるし、ファンもほとんどが女性の世界。
では、何故男性を排除する必要があったのか?
リアルに考えれば、共学で学校内に人気のアイドルがいるという状況は、様々なトラブルが起きてしまうことは容易に想像できるし、居場所が知られているということはファンが学校に押しかけてくるということも考えられる。
スクールアイドル活動をすることで入学希望者を増やそうとしても、入ってくるのは『スクールアイドル』目当てのキモオタばかりでは目も当てられない。
男性がいる世界ではそもそもスクールアイドルなんてものは成立しない。
だから男性を排除する必要があったのだと思うが、正確に言えば恐らく性欲の排除が必要だったのだと思う。
アイドルというのは異性の性的魅力に惹かれてファンになる場合が多いのが現実。
かわいいアイドルが男性の性欲によって支えられているというグロさが、美しい青春ストーリーとしてはノイズにしかならない。
美しくない芸能界と男性の性欲を排除することによって、本来女の子が憧れていたようなキラキラ美しいかわいいアイドル像を作り出すことができている。
お仕事物や部活物は、実際に経験してる人が見るとちょっとした間違いや嘘が入っているだけで実際はそんなんじゃねーよと冷めてしまいがちだ。
しかし、ラブライブ!はリアルのアイドルや芸能人でもラブライバーであることを公言してる人が何人もいるのは何故だろうか?
それは、アイドルのリアルではなく、本当はこんな世界が良かった、こんなアイドルになりたかったという憧れが描かれているからではないかと思う。
先程美しくない部分を完全に排除してしまっては嘘臭くなってしまうと言ったが、アイドルは実在するものであるのに対し、『スクールアイドル』は実在しない架空の概念である。
そもそもが嘘であるので、徹底的に嘘として作り込める。
『スクールアイドル』という設定によって、アイドルの美しい部分のみを見事に抽出することに成功しているのだ。
誰に指図されるわけでもなく、商売でない、裏表のない自己表現のみをする美しいアイドルを描くことで、それが結果的にアニメファンやアイドルファン、リアルアイドルの理想となり、商売になっていく。
アイドルというのは虚像であるし、あくまで商売であるという所に戻ってくるというのは面白い構造だ。
さて、『スクールアイドル』というたったこれだけのアイディアが、当時は物凄く革新的だったということがお分かりいただけただろうか。
今やラブライブ!も複数のシリーズが展開され、当たり前のようにスクールアイドルというものが出てくるが、改めてラブライブ!という作品がアイドル物としてどれほど革新的だったのかを意識しながら無印を見直してみると面白いかもしれない。
ぉゎ
Liella!の3rdアルバムを買った
Amazonで注文したLiella!の3rdアルバムがフラゲ日に届かなそうだった。
今回は何故かサブスクの配信が発売日からずらされていたので、いち早く聴きたかった自分は、店舗にCDを買いに行くことにした。
もう何年も行っていなかったアニメイト。
自分の記憶よりも遥かに小さくなったCD売り場には、Liella!の3rdアルバムは影も形もなかった。
このまま手ぶらで帰る気にはなれなかったので、近くのとらのあなに向かった。
潰れていた。
では、ゲーマーズに向かおうと思ったが、そこも潰れていた。
ダメ元でヨドバシカメラに行ってみたが、CD売り場がなかった。
仕方ないので、少々遠いが秋葉原に行くことにした。
電車でウトウトしていたら秋葉原に着いていた。
流石秋葉原、そこには念願のLiella!の3rdアルバムが売っていた。
それはまるで宝石のように輝いて見えた。
そういえばμ'sの初期の時代もこんなことをしていたな、と思い出した。
あの時はまだμ'sは人気も知名度もなく、フラゲ日に買いに行っても予約分のみでだいたい完売。
めんどくさがっていつも予約をしていなかった自分は、散々探し回って結局秋葉原に行く、そんな思い出。
自分はゲーマーズでアルバムを購入し、アルバム1枚分の重みを感じながらすぐに家に帰った。
家に着き、急いでCDをPCに取り込む。
この作業も久しぶりだ。
久しぶりに開いたiTunesには、2025年になってから1曲も追加されてなかった。
CDを入れると、アルバム情報が無かった。
めんどくさいが、全て手打ちしていく。
この作業も何年ぶりだろうか。
情報を全て打ち込み、ようやくアルバムを聴く。
歌詞カードを眺めながら、1曲1曲大事に聴いていく。
曲が良かったのはもちろん、そこにナニカが積み重なっているようで、より感動的な体験ができた。
最近はCDを買うにしても専らAmazonだし、買っても結局サブスクで聞いてしまう。
CDの価値は最早ジャケットとライブ抽選申込券のみになり、もしCDの中身が空だったとしても気付かない。
自分は久しぶりにCDに、音楽に金を払った気がした。
サブスクが普及し、もう音楽に金を払うという感覚が無くなってしまった。
便利さと引替えに、ナニカを失っていたんだということに気づいた。
でも毎回毎回こんなことをするのかと言ったら、たぶんしない。
これからもサブスクで音楽を聴くだろう。
CDをぞんざいに扱うだろう。
便利なことは必ずしも幸せとは限らない、だが1度便利を知ってしまったらもう戻れない。
自分たちはもう引き返せない所まで来てしまった。
ナニカはもう消え去っていくのだろう。
Liella!3rdアルバム、最高だった。
ありがとう。
ラブライブ!スーパースター!!3期第2話の感想
2期ラストから地続きで繋がる3期の物語の道筋をしっかり示した3期1話はさながら2話のような味わいだとすると、3期2話は3話のような味わいに仕上がっていたような印象だった。
タイトルの『トマカノーテ』というのも1期3話の『クーカー』を彷彿とさせるものとなっており、トマカノーテとしての物語の序盤の盛り上がりどころである3話的役割の回になっている。
1話でライブシーンがなかった代わりに、2話にライブシーンが来るというのは従来のシリーズにはなかった構成だ。
2話にしてマルガレーテがすでにスクールアイドルの楽しさを感じるところまでいっていて、思ったよりもかなり早いテンポで話が進んでいる。
今回、スクールアイドルアンチだったマルガレーテが、スクールアイドルの楽しさを感じるまでの心境の変化をそこまで細かく描写しているわけではない。
しかし、今回重要なのは、歌で想いを伝えることではないだろうか。
歌の力を振りかざし、スクールアイドルを馬鹿にした横暴な態度によって大炎上したマルガレーテは、歌を聴いてもらえなくなった。
一回どん底にまで沈んだからこそ、誰かに歌を聞いてほしいという切実な想いが芽生えた。
歌で誰かに自分の想いを届けたい、それは2期のマルガレーテに最も足りなかった部分。
マルガレーテを嫌いになってしまった人でも、この歌を聞いて想いを感じ取ってほしいという願いが込められていて、歌でわからすというのが今回最も重要だったように感じる。
だから細かく心境の変化を描くのは野暮なのかもしれない。
作中のスクールアイドルファンたちは当然彼女らの裏側は見ることはできない。
神聖なラブライブを荒らしやがってと怒り狂っている人たちを、このライブひとつで納得させなければいけないのだ。
今回のライブシーンにはその説得力があったように感じた。
マルガレーテにとっての本当の『本当の歌』
それが『Bubble Rise』
今のマルガレーテの気持ちを包み隠さず込めた内容。
高所からかのんを見下ろしていたマルガレーテは今は海中まで沈んでいる。
歌の力で他者を圧倒しようという強さを全面に押し出したこれまでの曲とは打って変わって、穏やかで優しい印象の曲調になっている。
マルガレーテ自身の変化というのもあるが、かのんとの共作という影響もあるだろう。
マルガレーテ一人ではおそらくこうはなれていない。
あくまでマルガレーテメインの曲ではあるものの、マルガレーテを支えるかのんの優しさもこの曲の一部なのかもしれない。
『好きの気持ち それが強さなんだ』という歌詞が特に印象的で、マルガレーテは変わったんだなというのを強く感じさせる。
かのんはマルガレーテに歌で純粋に心がキラキラした瞬間はいつだったのかを聞き出した。
マルガレーテにとっての歌の原体験は、一人で寂しかった時に聞こえてきた、その寂しさを吹き飛ばしてくれた歌。
マルガレーテにとって本来好きだった歌とはそういうもの。
その気持ちを取り戻すことがスクールアイドルとしての第一歩。
2年間の経験で『本当の歌』に辿り着いたかのんは、マルガレーテを導くことができる。
『Bubble Rise』とは、どん底まで沈んだマルガレーテが泡のように再び上に昇っていくんだという気持ちが込められているのだろう。
翼などなくても飛べると言っていたマルガレーテが今は海中にいるような気分であるということは、もう負けを認めたということだろう。
Liella!に負けたということを認め、恥も捨てて、再起を誓う。
それは口先だけではない、心からの想いであることがちゃんと伝わるようなパフォーマンスになっていると思う。
スクールアイドルが好きなスクールアイドルのファンならこのステージを見て何も感じないわけがない。
マルガレーテに対して敵対心を持っていた可可やメイも感動していることからもそのことがわかるだろう。
マルガレーテはスクールアイドルとして大事な想いを獲得した、というのが重要ではあるのだが、それだけでなく3人のパフォーマンス力の高さも注目すべきポイントだ。
今回の曲はド派手でインパクトがあるような曲ではない。
そういう曲なら分かりやすく強さを演出できるのだが、このようなゆったりとした穏やかな曲調でも高いパフォーマンス力であることに説得力がある丁寧で非常にクオリティが高い作画、CGの仕上がりには目を見張るものがある。
表情や髪のなびき、指先の表現等細部にまでこだわって作られたであろうアニメーションは彼女らの想いを届けるのに十分なレベルに達している。
このアニメーションが酷い出来なら全ての説得力を失い、大事な想いは届かなくなってしまう。
画でわからす、それができる人たちだという信用がなければできない脚本だと思う。
今回バストアップの作画からカメラが引く時にさりげなくシームレスにCGに切り替わるというカットがあって、その切り替わりがあまりにも自然でパッっと見どこが作画でどこがCGなのかわからないレベルになっていることに驚いた。
その手法は京極監督は無印からやってはいるのだが、ついにここまできたかという感動がある。
以前はCGクオリティ上がったねぇ〜とか、ちょっと違和感あるなぁとかいう話題を目にしたが、ここまで来るとCGをCGとして意識せず純粋に一人のキャラとして集中して見れてしまうので、もはやすごいともあまり言われなくなってきているのが逆にとんでもなく凄いことだと思う。
今まで力だけをひたすら磨き上げていたマルガレーテは、今回スクールアイドルとして大事な想いを獲得しただけでなく、楽しいという気持ちも獲得した。
今回のライブは、1万いいね以上を獲得することでチャレンジ枠として代々木スクールアイドルフェスへの出演できるということでエントリーしたもの。
しかし、当日集まった視聴者は1万人に届かず、始まる前から負けが確定してしまう。
勝ちにこだわり続けてきたマルガレーテと、合理性を重視する冬毬は、この状況なら歌うのは無駄と判断する。
しかし、かのんは違う。
勝ちたいという気持ちを持って上を目指すことは大事だが、結果が全てではないということを知っている。
一番になれなかったとしてもこれまでやってきたことは決して無駄にはならない。
本当に大事なのは結果よりも過程。
かのんがクーカーとして初めてスクールアイドルのステージにたった時に感じたあの気持ちを後輩にわかってもらいたい、それが今のかのんの使命だ。
始まる前から負けが確定したことで、逆に勝負から解放され、歌は楽しいものだったんだということを思い出すマルガレーテ。
マルガレーテだって最初は歌が好きで楽しくて歌っていたはずで、歌は本来は誰かを倒すための武器ではない。
「歌、久しぶりに楽しいって思えた」と言ったマルガレーテに対して、かのんが「その気持ち、ずっと持ってようね」と言ったことに重みを感じるのは、Liella!は勝ちにこだわってその気持ちを失いかけたことが何度もあるから。
楽しいという気持ちを常に一定に保つことは非常に難しい。
勝ちたい、もっと上手くなりたい、もっと頑張らなきゃ、といった気持ちが強くなることで、楽しいという気持ちは薄れていく。
何度も迷って悩んでそれでもやっぱり歌って楽しいんだというところに回帰できたということが描かれたのが2期のストーリー。
2期を経て大きく成長したかのんだからこそ言える、しっかり気持ちが乗った言葉になっていて、今までよりも長い3期構成の物語だからこそできる面白さを感じられる。
また、客が少ない、それでも歌おうという展開は伝説の無印3話と重なる部分がある。
μ’sから始まったラブライブシリーズが大事にし続けたスクールアイドルとして大事な本質的な部分が他のシリーズに受け継がれ、それがかのんにまで届き、そしてスクールアイドルアンチだったマルガレーテへ受け継がれることで、マルガレーテがスクールアイドルのスタート地点に立てたという物語は、壮大さを感じる。
やはり結んでいく、繋いでいくというのがラブライブスーパースターとしてのテーマの一つで、ラブライブを後世に伝えていきたいというのが京極監督の想いなのだろうか。
今回の曲がすごく良かったのは、マルガレーテが負けを経験したからこそ歌える曲になっていたこと。
負けから学びを得て、悔しい気持ちも歌に変えて力にしていく。
そういうこともできるのが歌の魅力だし、負けることにも価値はあるということを感じさせてくれたことに感動した。
今回、マルガレーテはスクールアイドルとして大事な3大要素が2話にして揃ったことになる。

この3大要素が揃ったということは、客に想いが届くということ。
一人でサニーパッションを倒したほどの力があるマルガレーテが想いと楽しむ気持ちを手に入れてしまうとLiella!ですらも太刀打ちできなくなってしまう。
かのん不在の8人のLiella!はさらなる成長を遂げる必要があり、それには四季メイのセンター経験、鬼塚姉妹の確執の解消、次期リーダー候補としてのきな子の成長、可可の上を目指すモチベーションの回復等があるだろう。
その辺りがどうなっていくのか、今後の展開が楽しみだ。
ここまでマルガレーテの事を中心に描いてきたが、忘れてはいけないのが鬼塚冬毬という存在。
冬毬はなぜここまで合理主義になってしまったのか?、プロフィールには姉である夏美が大好きと書かれているが夏美との関係性とは?、気になるところが多い。
また、夏美とは対照的な妹の登場によって夏美が思った以上に魅力的に見えてきたというのも面白い。
ここまで合理性を重視する冬毬に姉として絶大な信頼を得ているであろう夏美の家での姿とは?
早く鬼塚姉妹回を見たくなってくる。
冬毬にとってスクールアイドルは金にもならない無駄なことであるという認識だが、今回のライブで少し意識が変わったのだろうか。
思ったより冷徹な人間ではなく、意識して冷徹になろうとしているような印象もあるが、どうなっていくのか。
トマカノーテのライブはあくまでマルガレーテの歌いう印象が強く、冬毬の想いというのはまだ感じられないので、トマカノーテもまだまだやらなければいけないことがある。
冬毬がどのようなスクールアイドルになっていくのか、見守っていきたい。
次回は『白色のセンター』
かのんが抜けて8人と偶数になったLiella!はダブルセンターとして四季メイが選ばれるのか?
Goリスタートをきな子センターとしてカウントすると、センター未経験者は四季メイの二人となるので、Liella!が最強になるためにはこの二人のセンター経験は必須になるだろう。
2話がライブ回だったが、連続でライブ回になるのか?
どうなる次回!
ぉゎ
ラブライブ!スーパースター!!3期第1話の感想
衝撃のラストから2年の月日を経てついに3期が放送された。
1話を見て、あの物議を醸した留学中止エンドから、堅実にしっかり地に足つけてスムーズにストーリーが進行していったことに驚いた。
個人的にはあのラストは好きだったし、3期も特に心配はしてなかったが、ここまでさも平然とあのラストから地続きの25話を展開してくるとは思っていなかった。
2年ぶりの3期1話!という派手さはなかったのは少し残念ではあるものの、決して行き当たりばったりで作っているわけではなく、3期構成の物語としてちゃんと計算して作ってるからな、という本気を感じた。
結局我々は京極、花田の手のひらの上で踊らされていたというわけだ。
踊るってこんなに楽しいんだと感じさせてくれる、これがスクールアイドルというやつか。
まず、なぜ2期でかのんの留学が必要だったのかを考えると、廃校の危機も3年の卒業もないLiella!は、μ'sやAqoursと比べると勝ちたい理由が弱いからというのがあるだろう。
優勝しなければ可可が帰国してしまうという問題もあるが、さらにそこに主人公であるかのんの留学を加え、勝っても負けてもどっち道このメンバーでやれるのは最後という状況を作り出すことで、優勝の説得力を生み出せたように感じた。
しかし、3期をやるなら主人公一人だけ抜けた状態でやるわけにはいかない。
留学を中止にしてかのんに残ってもらうというのは、はっきり言ってコンテンツとしての大人の事情ではある。
しかし、それをしょうがないじゃんで開き直るのではなく、しっかりストーリーに落とし込めているのが流石と言わざるを得ない。
留学が中止になった理由としては、マルガレーテの親がもう一年かのんの元でマルガレーテに学んでほしいからといったもの。
マルガレーテの親は一切顔を見せないし現時点では本当の想いはまだ不明瞭だ。
この話を聞いて、かのんもマルガレーテも全く納得していない。
むしろ大激怒だ。
これは、大人の事情で理不尽に留学を中止にされたということをそのままストーリーに落とし込んでいる。
勝手に留学中止にしてふざけんなよと思った視聴者も、そのままの気持ちで続きを見れるようにされているのだ。
そして、かのんは留学が延期になったからといっても、すぐにはLiella!には戻らない。
ここですぐに戻ったら、あの時の覚悟がなかったことになってしまう。
そうなってしまったら2期のストーリーが全て台無しになってしまうのだ。
ファンが一番恐れていたのはそこ。
しかし、3期ではちゃんとあの時の覚悟を無駄にはしない。
あの時の覚悟のまま、かのん抜きの8人で最強になる、そしてかのんは世界に歌を響かせられるほどの力をつけて最強になる、そしてマルガレーテにスクールアイドルの楽しさを知ってもらう。
それが達成された時に再び一つになれるのだという道筋を1話でしっかり提示してくる。
ここまでされたら文句のつけようがない。
大事なのはあの時の気持ちで、実際に留学するかどうかはそれほど重要ではない。
ウィーンにいるか日本にいるかという場所が違うだけで、どっちにしろやることは同じだからだ。
つまり、場所が結ヶ丘というだけで、3期では実質留学したかのん、マルガレーテの話と、8人のLiella!の話が両方見れてしまうというわけだ。
ただでさえメインキャラが11人と多いので、さらにライバルキャラを増やすのではなく(いずれ出るかもしれないが)、メインの11人内で高め合えるライバル関係を作ったというのは合理的だ。
主人公で、Liella!のエースだったかのんがLiella!のライバルになるというのは面白いし、マルガレーテと新キャラの冬毬を加えた3人組になりそうなのもワクワクする。
今まではかのんの存在感がかなり強かったというのは確かで、かのんがいない8人がどこまでできるのかというのも非常に楽しみだ。
1話では、かのんがいない中で、部長の隣に並び立って仕切っている可可も姿や、マルガレーテに対して恋とすみれがアプローチをかけて行く姿など、今までだったらかのんがやっていたであろう役割を他のキャラが補おうとしているような描写があってすごく良かった。
これから先は2期生の活躍にも期待したい。
かのんがLiella!には戻らないと宣言した際の反応がそれぞれ違って、きな子は言いたいことはわかるけどそれでも寂しいと正直にいってくれたのも良かった。
しかし、一度はかのんがいないならLiella!じゃないという結論を出したものの、それでもLiella!を続けていくんだという決意をしたからには、8人でもLiella!であるということを証明しなければいけいない。
1年経てばかのんだけでなく1期生は全員いなくなる、そして2期生も、3期生もいずれは卒業する。
それでも、この結ヶ丘という学校にLiella!というものをずっと残していくためには、今ここで乗り越えていかなければいけないものがある。
次世代のLiella!を引っ張っていく者として成長する2期生の姿を見せてほしい。
また、Liella!の中でも一番納得できてなさそうな可可がどうなっていくか気になる。
可可はμ'sが築き上げてきたようなスクールアイドル観に忠実に生きている人間。
かのんはすでに最高の未来に意識がいっているのに対して、可可は今が最高と言いたい。
1話では少しすれ違っているような印象だったが、今後どうなっていくのか。
Liella!はクーカーから始まっているので、3期でまたこの2人の濃厚なエピソードが来るのではないかという予感がする。
マルガレーテは2期12話ではウィーンに戻れるなら手段は選ばないというようなことを言っていたが、3期ではLiella!に入れば優勝する可能性が高くなるとしても自分はLiella!に勝ちたい、そうでないと納得できないと意識が変わっていたのが印象的だった。
2期では高所からかのんを煽りにきていたマルガレーテが、3期ではしたから宣戦布告するチャレンジャーになっていたのも熱い。
マルガレーテは新スクールアイドル部を立ち上げLiella!に勝とうとしている。
2期では1人で優勝するつもりだったのに対して、3期では誰かと一緒にやろうとしているあたりも意識が変わっている。
マルガレーテはまだ何故Liella!に負けたのかは理解できていないかもしれないが、マルガレーテはLiella!を見ていて孤独を感じたのではないだろうか。
まだ人数が多い方が有利なんだろうという浅い考えなのかもしれないが、少しずつスクールアイドルの本質へと近づきつつあるような印象がある。
あとはかのん先輩がうまいこと導いてくれればいいが・・・?
新キャラの冬毬の動向も気になる。
なぜ新スクールアイドル部に入るのか、マルガレーテと相棒のような立ち位置になりそうだが何がどうなってそうなるのか。
マルガレーテの心を開くのはかのんではなく冬毬なのか?
姉である夏美との関係性は?
続きの話を楽しみにしておこう。
OPの衣装は全員にかのんのカラーのオレンジ(マリーゴールド)入っているのとマルガレーテ感がある黒い羽がついているのが意味深。
マルガレーテはLiella!に入って黒い羽から白に脱色されるのではなく、黒いまま受け入れられているように感じられるのも良い。
OP曲の弦編曲をマルガレーテの曲を作曲・編曲されていた森悠也さんが担当していて、マルガレーテも作曲に関わっているんだろうなと感じさせてくれる。
一つになる、つまり2組が高め合って11人になるという1話で語られた想いを強く感じられるが、おそらくそれは序盤から中盤にかけての話だと思うので、約束というのはそれだけではないような気がする。
約束とは一体なんなのか、楽しみにしておく。
ED、過去一好きかもしれない。
明るくて楽しい日常の風景、でもそんな日々も今だけで、もうすぐ終わりが来るんだなという切なさを感じる。
ダンスのことろはラフな感じでそれぞれ動きに個性があって、良い意味で揃いすぎていない作画が素晴らしい。
マルガレーテ、一体何があったらそんなLiella!メンバーと楽しく笑い合えるようになるのか・・・
ということで、非常に良いスタートを切った3期。
個人的には3期から藤井智之さんが総作監に入ったことが嬉しい。
藤井智之さんは無印から総作監として関わっていて、サンシャインではほとんどの話数で総作監として参加している。
スーパースターだと1期10話のノンフィクションのダンスパート作画監督やユニットシングルのジャケ絵等を担当。

非常に艶やかで躍動感のある作画が特徴的。
ハイドライバーズというほぼラブライブスタッフで作っている謎コンテンツのMVのキャラクターデザイン、作画監督を担当していて、これも超絶クオリティだ。
今後の藤井作画にも要注目。
次回は『トマカノーテ』
クーカーに続く伝説のユニットが誕生しそうな予感。
冬毬も本格的に活躍していきそうなので楽しみ。
ぉゎ
ラブライブ!スーパースター!!2期第12話振り返り感想
千砂都がかのんに留学してほしいという衝撃の引きで終わった前回。
かのんは留学するのか?
そしてラブライブは優勝できるのか?
ということで2期第12話について語っていく。
「今こそ夢を叶えるチャンスなんだよ」
世界に歌を響かせたいという子供の頃の夢に近づくために、留学は大きなチャンスになる。
これまで作中に夢というワードが何度も出てきていて、夢を叶えるということが何よりも重要なこととして扱われてきた。
このシーンでかのんの後ろで千砂都の言葉を聞いた夏美がハッとしたような顔をしているのが個人的に印象的だった。
何度も夢を見てその度に挫折してきた夏美だからこそ、自分に夢を持たせてくれたかのんが、手が届きそうな夢を自ら諦めようとしているという事に対して思うことがあるのだろう。
かのんはLiella!にとってとても大きな存在で、いなくなって欲しくない、そう思うのは千砂都も同じ。
しかし、自分たちがかのんに残ってほしいと願うことが、かのんの夢を諦めさせることになる。
本当にかのんのことを想っているなら留学させてあげるべきではないか、というのが千砂都の考え。
かのんは自分のことよりも他人の為に頑張れる優しい人。
それはかのんの長所でもあり、短所でもある。
Liella!が大事で、ここに残りたいというのもかのんの本音ではある。
ただ、自分が抜けることでみんなに迷惑がかかる、みんながいてほしいと望むならそれに応えたい、そう思ってしまうのが澁谷かのん。
千砂都はそれがわかっているからこそ、かのんの優しさに甘えるわけにはいかない。
自分たちがそういう気持ちでいる限り、かのんは一生夢を叶えられない。
だからあえて一緒にいたいという気持ちを必死に抑え込んで、留学してほしいと強く主張する。
「世界に歌を響かせるんでしょ!」
珍しく感情的になる千砂都。
歯を食いしばった後、涙を流しながら必死に笑顔を作る千砂都の表情から千砂都の覚悟を感じる。
かのんの留学に対してもう一度真剣に向き合うメンバー。
「いてほしいし、いてほしくない」
すみれも子供の頃からずっと夢を持ち続けてきた人間だからこそ、一緒にいたい気持ちもありつつも、夢を諦めてほしくない気持ちもある。
すみれが可可を上海に返したくないと強く願ったのも、可可の夢を大事にしていたからこそ。
今回は逆にかのんの夢を大事にすることで離れ離れになることを覚悟しなければいけない。
ここで私のSymphonyのピアノアレンジ版が流れてくる。
私のSymphonyは元々始まりは君の空の私を叶える物語盤というCDに収録されていた曲だったということを考えると、ここで流れてくることにも深い意味を感じる。
「ご心配なさらず、友達に会いにいくだけですから」
さらっとサヤさんに言うセリフだが、当たり前のように『友達』と言える存在が恋にできたんだなぁとしみじみと感じる。
「私はこの学校に入るまで、深い絆を感じられる友人は一人もいませんでした」
「大好きな人にはっきりとぶつかっていける千砂都さんを私は尊敬します」
大好きだからぶつかっていけるし、大好きだからこそ離れ離れになる覚悟を持てる、そこまで想える千砂都は確かに尊敬に値すると自分も思う。
「私は恋ちゃんも親友だと思ってるよ」
2期ではLiella!メンバーを導いていくような役割として千砂都と恋が一緒にいる様子がよく描かれていた。
今までLiella!に入ってからも定番のカップリングのようなものがなかった恋だからこそ、恋が千砂都に親友と言ってもらえたのは個人的に嬉しかった。
1年生はかのんが抜けて8人になることを不安に感じている。
その中でも、やはり夢というものに強い想いがある夏美は前向きだ。
「今私たちにできるのは練習ですの!」
暗い空気を一気に吹き飛ばしてくれる夏美は意外にもリーダーシップがあるのかもしれない。
かのんはまだどうするべきか悩んでいる。
いつものたこ焼き屋には千砂都の姿はない。
何度も見た景色なのにそこに千砂都だけいないという光景が切なさを演出している。
留学するということはみんなと離れ離れになること、その心細さを想像してしまい答えが出ない。
街を歩けばメンバーの姿があり、Liella!に戻る決心も留学する決心も固まらないかのんはそれを避けるように帰宅する。
家族の前では思わず涙を溢してしまうかのん。
家族だけに見せる姿があるというのも人間らしくて良い。
「お母さんはかのんがどの道を選んでも応援する。だから、後悔だけはしないようにね」
放任主義的ではあるが、娘のことを大事にしていることがわかるいいお母さんだ。
親子の描写はこれまであまりなく、大人のキャラクターも少ないので、ここで親子のやり取りが見れたのが嬉しかった。
普段はかっこいいヒーローのかのんもまだ普通の子供なんだと思えるのが微笑ましい。
そこに突然マルガレーテが現れる。
「ちょっとお時間いいでしょうか」
これまで傍若無人な振る舞いをしてきたマルガレーテもちゃんと敬語が使えるのかという驚きがある。
「あなたにきた話よ。あなただけにきた話」
Liella!として東京大会を勝ち進んだのに、留学の話がきたのはかのん一人。
Liella!の中でもかのんは特別な才能を持っていることがわかる。
9人横並びのフォーメーションが印象的だった東京大会だったが、結局かのんは幼少期の時と同じく一人だけ前に出ていくことになる。
才能があるが故の孤独、その運命とどう向き合っていくのか。
「自分の力だけでウィーンに戻ってみせる。私ってば口先ばっかり」
今までの印象とは異なり、弱気な部分も見せてきたマルガレーテ。
マルガレーテも人の子だったかと一気に親近感が湧く。
3期ではどんな姿を見せてくれるか今から楽しみだ。
「私にとって、Liella!や学校のことが自分の夢くらい大切な存在なの。私、結ヶ丘に入学していなければ歌をやめていたと思う。そんな大切な場所と仲間を失ってしまうのが怖いんだ」
歌えなくなった時と同じ『怖い』という感情。
この先に進むには再びこの感情を乗り越えていく必要がある。
「それなら、留学しても恩返しはできる。むしろ留学した方があなたの学校の力になれるわ。言ったでしょう、ウィーン国立音楽学校は世界的に有名なの。あなたが留学すれば必ず学校も注目される。世界中から結ヶ丘に入学を希望する生徒も集まるかもしれない。って勘違いしないでね。私はウィーンに戻れればそれでいいの。でも、飛び込んでみたら?とても大切なことよ」
この学校から◯人東大に合格したということがアピールになるように、結ヶ丘からウィーン国立音楽学校に留学したとなれば音楽学校として大きなアピールになる。
ライバルだったマルガレーテに背中を押されるという展開に。
自分のことしか考えていないようで、テンプレツンデレセリフを吐くマルガレーテ。
マルガレーテともいつか分かり合える時が来るだろうという予感を感じさせる。
千砂都から呼び出され、学校に向かうかのん。
「私、ここに来る前に決めてきた。留学、しようと思う。留学して、結ヶ丘の代表として、この学校がもっと有名になれるように、そして、自分自身がもっともっと成長できるよう挑戦してみる」
ついに留学をする覚悟を決めたかのん。
マルガレーテに言われた、自分が留学することが学校の為になるということが決め手になったのだろう。
やはり自分の為よりも誰かの為にという想いが原動力になるのが澁谷かのんらしい。
留学の覚悟を決めたかのんに対して、留学するかのんを応援する覚悟を決めたメンバー。
かのんに救われ、夢を追いかけることができたメンバーが、今度はかのんの夢を応援してあげるという美しい構成。
本作にとって夢というのは何よりも大事にされるもの。
たとえ離れ離れになってしまうとしても、かのんの夢を第一に考えなければいけないのだ。
最後に主人公の『やりたいことは?』に戻ってくる構成は無印と似ている。
「かのんちゃんがいないLiella!はLiella!じゃない。それが私たちが出した答え」
この結論はμ'sが出したものと同じ。
「でも、一つだけお願いがあるの。Liella!は続けてほしい。一人でも欠けたらLiella!じゃない、この9人でLiella!だって気持ちはわかるよ。私だってそう思う。でも、やめて欲しくない。私にとってLiella!は青春。この結ヶ丘から私がいなくなることで、Liella!がなくなるのは、嫌なんだ」
しかしかのんは続けてほしいと願う。
結んでいく、そして繋いでいくことを大事にする結ヶ丘だからこそ、Liella!を続けていく。
その方がラブライブスーパースターらしい。
覚悟が決まった9人は、やる気に満ち溢れる。
もし決勝で負けたら可可は上海に帰国するが、勝っても負けてもかのんは留学する。
結果がどうであれ、もうこの9人でいられるのはこれで最後になる。
サニパが言っていたこれで最後という気持ちで挑めという状態にこれでなった。
3年のメンバーがいるスクールアイドルは皆これで最後という気持ちで挑んでくる。
それらにLiella!が勝つには、負けても来年もあるしという余裕は捨て去る必要があったのかもしれない。
もう負けたらどうしようなんて不安を抱いている暇はない。
全力でやって優勝するしかないのだ。
「歌で世界を幸せにしたい。世界に歌を響かせられるよう、精一杯頑張ります。それがLiella!の、結ヶ丘の未来にもつながっていくと思いますから」
ラブライブの決勝で歌われるのは『未来の音が聴こえる』
ゆったりとした穏やかな曲調で、心に染み渡っていくような優しい曲。
戦うぞ!勝つぞ!というパッション溢れる好戦的な『WE WILL!!』から始まったこの物語がこの穏やかな『未来の音が聴こえる』に辿り着いたというのがまさに2期を表しているように感じる。
この曲からはこういう曲にすれば勝ちやすいんじゃない?というようなすけべ心がまるで感じない。
勝つための曲ではないのだ。
これまでの経験を経た、今の素直な気持ちを形にしたらこの曲になったという印象。
勝ちを意識しすぎたらおそらくこのような曲にはなっていない。
勝ちを意識してその時の素直な気持ちを捻じ曲げてしまったら、それが逆に勝ちから遠ざかることになり得る。
この曲はこの時のLiella!の全てだ。
それを純度100%で届けること、それがLiella!の強さ。
この曲は未来に想いを馳せている。
ラブライブを優勝したその先の未来を。
ラブライブ優勝が頂上じゃない、それはあくまで通過点でその先にまだ道は続いていることをすでにイメージできている。
決勝のステージまで来てここまで穏やかな気持ちでいられるのは、最早悟りの境地に到達していると言っても過言じゃない。
きっと他のスクールアイドルとはステージが違うのだ。
もうLiella!には敵がいない。
世界を幸せにする歌、そんな本当の歌。
ここまでたどり着くためには、きっとこれまでの全てが必要だった。
勝ちたいという強い想いによって迷走したことも、何もかも必要なピースで、それらを経てようやく辿り着けたのがこの境地。
「これが、私たちのラブライブ!」
これこそがまさにラブライブスーパースター。
これこそがまさにLiella!。
結果は見事優勝。
優勝する瞬間などは具体的に描かないのがラブライブのお約束。
大事なのは結果ではなく過程。
しかし、過程がしっかりしてれば当然結果は出る。
ラブライブ優勝なんてのは言わずもがな。
そして優勝はあくまで通過点。
「初めての、一等賞」
ここ個人的にめちゃくちゃ好きなシーン。
これまで何度も夢破れてきた夏美がついに夢を叶えて救われた瞬間。
一等賞というワードをあえて使っているのが、あの時の小さな頃の夏美が報われたようで好き。
見事優勝してかのんは留学へ。
しかしかのんは名残惜しくなかなか部室から離れられない。
かのんはメンバーに追い出され帰路に着く。
そこでなぜか結ヶ丘の制服を着たマルガレーテに出会う。
「見ての通りよ、留学は中止」
「ど、どうなっちゃうの〜〜〜」
衝撃のラストを迎える2期最終回。
この物語はまだここで完結するわけにはいかない。
今まで断罪ではなく救済を行なってきたかのん。
マルガレーテを倒して気分爽快、優勝して終わり、それでいいわけがない。
歌でみんなを笑顔にする、それが目的なら、マルガレーテをも救わなければ意味がない。
夢を叶えることが何よりも大事であるため、かのんが留学するという決断は決して間違っていない。
しかし、かのんは結ヶ丘やLiella!が自分の夢と同じくらい大切と言っていた。
夢のために結ヶ丘やLiella!から離れることが本当に良いことなのか?
留学して夢を叶えるか、留学せず夢を諦めてLiella!に残るのか、この2択で考えていたのがそもそも間違いだったのでは?
今まで2択で悩んだ時は第3の選択肢に進むことが多かった。
何かを掴むことで何かを諦めないってやつだ。
第3の選択肢とは、Liella!として世界に歌を響かせるという夢を叶えるということなのではないだろうか。
かのんが留学してしまえばなんとなくいい感じに綺麗に終われたのだ。
それでも、まだここで終われるわけないだろ、やり残したことがあるだろと3期に突入していく、このラストに当時京極尚彦のやる気がビシバシと感じられて痺れた。
お前ら目ぇ覚せとぶん殴られた気分だった。
このラストは無印2期のオマージュでもある。
かのんが留学を決意したことは間違いではなく、おそらくあの選択をできたからこそ優勝があったと思う。
その選択ができたからこそ第3の選択肢に進めたのではないだろうか。
実際に留学するかどうかよりも、留学を決意する覚悟が重要で、それによってサニパが言うこれで最後という気持ちで挑めた。
留学が中止になったのは向こうの都合であって、かのんの決意は決して無駄にはなっていない。
じゃあかのんは夢を諦めるしかないのか?といったらそんなことはないだろう。
可可は「かのんの夢はみんなの夢デス!」と言ったように、世界中に歌を響かせるのはかのん一人の夢ではなく、Liella!としての夢に変わっていくのではないだろうかと思った。
かのんがいなくなり、残されたLiella!は優勝した後、何を夢とするのか?
連覇を目指すのもいいが、日本一になった後は、目指すは世界だろうと。
そうなったら夢はかのんと同じになるのだ。
だったらそこまでやらなきゃこの物語は終われない。
留学の話はかのんだけにきた話で、まだ完全にはメンバー全員横並びにはなれていない。
他の全員がかのんと同じレベルまで追いつければ、みんなで同じ夢を叶えることができる。
それは、全員で留学するわけではなく、きっと別の形になるとは思うが。
留学が中止になった理由は現時点ではわからない。
だからこの展開が良かったのか良くなかったのかはまだなんとも言えない。
ただ、3期を最後まで見終えた時には、きっとこれでよかったと納得できる展開になるだろう。
留学中止はただの不幸な出来事ではなく、留学をする覚悟を決めて優勝したからこそ辿り着ける最高の未来に進むために必要なことになると思っている。
また、11話でかのんが隠田神社の神様に願った今年もLiella!として歌っていきたいということが結果的に叶ったということになる。
あの神社はただの神社じゃない。
隠田神社はすみれの実家の神社で、あの神社の御守りの効果はたしかにあったのだ。
であるなら、あの時のかのんの願いも、叶ったのだと思う。
Liella!として活動していくこと、世界に歌を響かせること、どちらかではなく、Liella!として世界に歌を響かせる未来が3期で描かれるだろうと予想している。
もちろんこれはただの予想で、当たらなくても良い。
予想なんて外れてなんぼ。
制作陣がなにをしたいのか、それをありのまま受け止めたいと思う。
ということで、7月から3期放送までに1期から2期とじっくり向き合って自分の考えをまとめようということで始めたブログもこれで終わりになる。
すでに何度も見ているアニメではあるが、じっくり見直していくことでまだ気づいてなかったところや解釈が甘いところがいくつもあったことに気づけたので、奥深いアニメだなと改めて思った。
スーパースターは無印で築き上げたスクールアイドルとは何か?ラブライブとは何か?という基礎を大事にしつつ、そこのさらなる深掘りに加え今までできなかったことに手をつけていると感じる。
無印やサンシャインでは、どうしても3年生が卒業してしまうため1年で物語が完結してしまっていた。
3年生が卒業した後も彼女らはスクールアイドルを続けていたはずだが、それを観測することは叶わない。
3年生が卒業したら1年が入ってきて、どんどん形が変わっていき、いずれオリジナルメンバーもいなくなる。
それでも受け継がれ、続いていく歴史、そういうあの世界でのスクールアイドルの当たり前のリアルをもっと見たいと個人的には思っていた。
スーパースターは新設校の1年生からスタートすることで、1年ごとにメンバーを増やしていくことができた。
楽しいだけでやってられる期間は過ぎ、勝ちたくて、うまくなりたくて、悩み苦しむ2年生や、先輩との実力差に悩む1年生、きっとμ'sやAqoursもアニメのその先で経験しているであろうそんなスクールアイドルの当たり前のリアルが見れたことがなによりの魅力だと感じている。
後輩がいるから強くなれる先輩、先輩がいるから強くなれる後輩、メンバーが増えたからこそできる新しい表現、5人と4人だったLiella!は9人となり、そして次は11人へ。
一人一人を人間として尊重し、長所も短所も全てひっくるめて魅力的に描かれるキャラクターの良さは個人的にはシリーズの中でも随一だと思っている。
想いを結んで未来へ繋いでいく、結ヶ丘、そしてLiella!の理念は、無印からはじまったラブライブというものを未来へ繋いでいくという想いも感じる。
今の若者にもラブライブというものを知ってほしい、その為に無印を作った京極尚彦が再び立ち上がったのかもしれない。
いつの時代でも、何度でも同じことを伝える必要もあるし、変わっていく必要もある。
9人だったLiella!は3期では11人となり、3年生は卒業を迎えることになるだろう。
11人となったLiella!は優勝のその先にどんな夢を見るのか。
そして卒業していく先輩は後輩になにを託すのか。
残された後輩はどんなLiella!を作っていくのか。
Liella!は歌で世界を幸せにできるのか。
ラブライブスーパースター3期を楽しみに待とうと思う。
最後に、このブログを読んでくれた方々に感謝を述べたい。
一人でも多くの人にスーパースターの面白さが伝わってくれたらという想いで始めたこのブログ。
約3ヶ月で24話分のブログを書き切ることができるのか不安もあり、何度も心が折れそうになった。
特にバズることなく、自分がこの世界に放った想いはほとんどの人には伝わらずにひっそりと終わることになるだろう。
それでも、一人でも読んでくれる人がいるならやり切ろうと思ってなんとかやり切れた。
元々スーパースターが好きで始めたこのブログ。
最初は楽しいという想いで書けていたブログも、だんだんと辛いという感情も出てきた。
上手く文章がかけないもどかしさ、全く伸びない閲覧数、目標の期間が迫ってくる焦り。
それでもそこを乗り越えるとやっぱり楽しさもあって、楽しいと辛いをいったりきたりしていた。
Liella!のように大きな結果は全く出せていないが、このブログを通して作中のLiella!の気持ちが少しリアルに体感できたような気がした。
ここまで読んでくれた方々、ありがとう。
ラブライブ!スーパースター!!2期第11話振り返り感想
東京大会の結果発表直前で終わった前回。
Liella!はマルガレーテを倒し、前回大会の結果を超えることはできるのか?
ということで2期11話について語っていく。
結果は見事マルガレーテを破って一位。
5人で出て勝つのか、9人で出て負けるのかではなく、9人で出て勝つ。
無事その目標を達成し、決勝へ進出できることになったLiella!。
結果を見たメンバーのそれぞれの表情から、この結果に対するそれぞれの想いが感じられる。
個人的に恋の「勝ちましたー!」がUR葉月恋でボスをみんなで倒した時の「やりましたー!」の時と同じような言い方なのが好き。
Liella!メンバーのバックショットとペンライトの光の海が映るカットは1期3話のクーカーの時を彷彿とさせるカットになっていて、2人から始まったクーカーが9人のLiella!になっているという変化もありつつ、あの時はかのんの隣に立てていなかった千砂都がかのんに抱きついている姿もエモーショナルだ。
一方、マルガレーテはこの結果を見て憤慨する。
「私はこの結果を認めない!」
わざわざマイクを使ってそう言い放つ。
まるでこんな結果にした観客に対して文句をつけるように。
「この結果は聞いてくれたみんなが出してくれた答えだよ。スクールアイドルは一人じゃない。みんなと一緒だから素敵なライブが生まれるんだと思うの。それが伝わらないなら、マルガレーテちゃんにはスクールアイドルのステージに立ってほしくない」
スクールアイドルは一人じゃないというのは決してソロ活動を否定しているわけではない。
観客に想いを届け、会場全体が一体となる、そういう空間を作ることが本来のスクールアイドル。
私を勝たせなかった客が悪いとでも言いたげなマルガレーテはモラルに欠ける。
スクールアイドルに救われ、本当の歌とは何かを掴んだ今のかのんは、マルガレーテに対してキッパリとスクールアイドルのステージに立ってほしくないと言い切る。
しかし、東京大会のパフォーマンスでは、マルガレーテの心までは動かせなかったというのも事実。
マルガレーテは2位なのでマルガレーテが一番良かったと思った人も多くいるし、かのんが言う『みんな』とは、実際は『みんな』ではない、とも言えるのかもしれない。
マルガレーテの過激な言動はネットでも炎上を巻き起こす。
そこでかのんはいつもの、でもきっと何かあるんじゃないかモードに。
マルガレーテを倒してそれで問題解決、本当にそれでいいのか?
今まで断罪ではなく救済をしてきたのが澁谷かのん。
ここで終わらないのがラブライブスーパースターだ。
年が明け、初詣に行くLiella!メンバー。
隠田神社でかのんが神様に願うのは、「今年一年みんな仲良く、良い歌を歌って、良いライブができる、いい年でありますように」ということ。
ここでの9人の想いは一つだ。
このシーン、後の展開を知った上で改めて見直すと実はすごく重要なシーンなのではないかと思えてきた。
今年一年、つまりかのんが高校3年生の間Liella!として活動していけることを神様にお願いしている。
これはかのんの紛れもない本心であるし、これが神様に届き、叶うことになるとしたら・・・?
かのんはマルガレーテのことが気になりSNSをチェックする。
そこには、マルガレーテが姉がいるウィーンの音楽学校に不合格になってしまったということが書かれていた。
結ヶ丘の音楽科の受験に失敗してしまったかのんは他人事とは思えない。
かのんはマルガレーテのSNSに投稿された画像から、マルガレーテが神宮競技場にいるのではないかと思い、マルガレーテに会いに行く。
かのんはマルガレーテに自分も似た経験があり夢が奪われたような気持ちだったと語る。
しかしマルガレーテはこう言う。
「ふざけないで!私に勝って人の夢を奪ったのよ!」
マルガレーテはラブライブで勝てばウィーンの音楽学校に編入できるという条件でラブライブに挑戦していた。
マルガレーテだけじゃなく、それぞれのスクールアイドルがそれぞれの想いを持ってラブライブに挑戦している。
かのんはみんなを笑顔にしたいという想いがあったが、Liella!が勝ったということはそれ以外のスクールアイドルは負けたということ。
Liella!が勝って喜んでいる裏で、負けて夢が叶わず悲しんでいる人たちが大勢いるのも事実。
マルガレーテもその中の一人だ。
「あなたならわかるでしょう?どっちの歌がうまかったか」
マルガレーテはまだうまさで勝敗が決まると思っている。
確かにうまさで言ったらマルガレーテはダントツだったのかもしれない。
私のほうがうまいのに負けるなんてくだらない大会だというのはマルガレーテからしたらそうだろう。
しかし、ラブライブは決してうまさだけの勝負ではない。
「だって、私たちの方が勝っていたと思うから。私たちは全員、みんなに歌を届けたいと思って歌っていた。一つになれたらと。その想いはあなたより強かった」
かのんは私たちの方が勝っていたと言い切ったが、私たちの方がうまかったとは言わない。
あなたより想いが強かったということを主張する。
うまさではマルガレーテが勝っていたのに何故Liella!が勝てたのかというと、前回使った図をもう一度見ていただきたい。

うまさというのは想いを届けるためのもの。
力がなければ強い想いがあってもそれを届けられないので、うまさは必要ないということでは決してない。
しかし、力だけを磨いても、届ける想いが弱ければ意味がない。
Liella!は想いを届けるパフォーマンスがしっかりできていた。
だからマルガレーテに勝っていた。
そのことがマルガレーテには理解できていない。
ウィーンの音楽学校に落ちてしまったのも、そういうところに原因があったのではないだろうか。
そして皮肉なことにかのんにマルガレーテが行きたくても行けなかったウィーンの音楽学校から留学の誘いがくる。
「あなたがこの先も本気で歌の道を目指して行きたいと思うのであれば、大きなチャンスであることは確かよ」
世界中に歌を響かせたいという夢を持っているかのんにとっては理事長が言うように大きなチャンス。
しかし、かのんは留学の誘いがきたことをメンバーには隠してしまう。
ただ、千砂都には隠し事など通用するわけもなく・・・
かのんが留学するということは、結ヶ丘から離れ、Liella!からも抜けるということ。
他のメンバーも無関係ではない。
かのんはLiella!のリーダー的存在であるし、メンバーからの信頼も厚い。
かのんがLiella!から抜けるかもしれないとなればメンバーはいてもたってもいられない。
かのんの様子を見に縦に積み重なったメンバーが崩れてしまうと言う描写は、かのんという柱が抜けてしまうとLiella!が崩壊してしまうのではないかという不安を表現しているようにも感じる。
「心配しないで、いかないよ」
「話があったのは本当、でも、留学はしない。結ヶ丘に入って、スクールアイドルになって、歌が大好きってまた言えるようになった。だからこの学校にずっといたい。もっとたくさん歌って、3年間スクールアイドルとして頑張って、この学校のみんなと一緒に、もっともっとハッピーな気持ちになりたい。」
「あのね、東京大会のステージでみんなで喜べた時、思ったんだ。私が選んできた道は何にも間違ってなかった。この喜びを重ねていくことが、私の目標の一つなんだって」
かのんは留学はしないという答えを出した。
ここで語ったこの気持ちは嘘偽りない本心だろう。
かのんの出した答えを聞いてホッとするメンバー。
ただ、これは目標の一つであって全てではない。
千砂都だけは唯一複雑そうな顔をしている。
何故なら、千砂都はかのんの子供の頃からの夢を知っているから。
様子を見にきていたマルガレーテに気付き、追いかける千砂都。
話してくれるまで離さないとマルガレーテに必死にしがみつく千砂都は、最近の部長として冷静にどっしり構えていた姿とは異なる。
かのんのことを第一に考えてきた千砂都にとっては、かのんが今大事な分岐点にいるということを重く捉えている。
「かのんがウィーンに留学するなら、私も一緒に戻ってきていい。かのんの元で歌を学びなさい、と」
かのんが世界一の音楽学校から高い評価を受けていることを知り、千砂都は本当にこの話を蹴ることがかのんの為になるのかを考える。
理事長に留学は断ることにしたと話すかのん。
「後悔しない?」と聞かれて、「はい」と答える。
しかし、理事長室から出る際にふと地球儀に目が止まってしまったのは、この選択が世界中に歌を響かせるという子供の頃からの夢から遠ざかることになるのでは?という気持ちがあるからなのではないだろうか。
雪が降る中、何故か屋上にこたつを設置して温まるLiella!メンバー。
この異様な光景は、問題にしっかりと向き合わず、偽りの暖かさに逃げていることを表しているように感じる。
かのんは留学を断った、それでも雪は降っているし寒い。
心情と天候がリンクしているとすれば、かのんの心はまだ晴れていない。
ここでこたつに入っていないすみれは、ショウビジネスの世界で活躍したいという、スクールアイドルとは別の世界での夢を持っている人間だからなのかもしれない。
こたつの布団がひっぺがされ、寒さに直面するLiella!メンバー。
そこに真剣な顔で登場する千砂都。
ここから全員で目を逸らさず、しっかりと問題に向き合わざるを得なくなっていく。
「反対されるのはわかってる。でも、正直な気持ちだからはっきり言うね。私、かのんちゃんに、留学して欲しい」
できるだけ感情を抑えて淡々とそう言い放った千砂都。
留学をするということはかのんと離れ離れになるということ。
千砂都にとってかのんと離れ離れになることはとてもつらいこと。
それでもなお留学して欲しいと言う。
それは世界中に歌を響かせたいという子供の頃からの夢を絶対に叶えて欲しいから。
そしてかのんの中にまだその気持ちが残っていることがわかっているから。
かのんのことを何よりも一番に考えている千砂都にとっては、かのんに夢を諦めて欲しくない。
この展開を見て思い出したのが、サンシャインでの「ピアノコンクール出てほしい」だ。
梨子は元々大好きだったピアノを楽しめなくなってしまった人間。
そんな梨子が再び前向きにピアノが弾けるようになれるようになるまでスクールアイドルをやってみようということでスクールアイドル活動を始めた。
スクールアイドルにのめり込んでいく中で、ラブライブの予選とピアノコンクールの日程が被った時に、梨子はラブライブを選んだ。
しかし、主人公である千歌から「ピアノコンクール出てほしい」と言われる、といった流れだ。
比較すると、かなり似た展開のように感じる。
そもそも何の為ににやってたんだっけ?最初の気持ちを忘れてないか?と軌道修正してくれる。
一時の感情に流されず、最初の気持ちを思い出せと。
それは本当に相手のことを思っているから。
自分に不利益があろうとも、最初の気持ちを忘れないでと言えるのは深い愛情があるからこそ。
そして今回それが言えたのはメンバーの中で嵐千砂都以外に誰もいなかったし、千砂都だったらそうい言うだろうという説得力がある。
千砂都だってかのんと離れたくない、他のメンバーもうそう、かのんもそう、視聴者も留学しないって言ってくれたほうが安心して最終回を迎えられるわけだ。
かのんも留学しないって言ってるんだからそれでいいじゃないかと、そう思ってしまいがちなところを、それじゃダメでしょって言ってくれるのが嵐千砂都であるし、そこまでやるのがラブライブ。
それができるのが花田十輝。
これが愛を持って誠実にキャラクターと向き合っているということ。
そして、視聴者に対してもそこまでの愛があなたにありますか?と問いかけられてるようにも感じる。
自分のことを気持ちよくしてくれる都合の良い存在として見てませんか?と。
スクールアイドルはアイドルとは違って自分にとって都合の良い理想を演じてくれる存在ではない。
無印で描かれたラブライブの核となる部分、『あなたが本当にやりたいことはなんですか?』ということろに戻ってくる。
やりたいことをやりなさい、それは時に他人に迷惑をかけることになるかもしれない、それでも自分の気持ちに嘘をつかずに貫けという姿勢を描かれてきたのがラブライブ。
一緒にいると自分に得があるから一緒にいるという関係性、そこを越えて相手のことを想える、そんな関係性になれることがこの先に進むために必要なこと、それが愛に生きるということなのかもしれない。
千砂都の言葉を受けて、かのんはどのような答えを出すのか?
次回ついに最終回『私を叶える物語』
ということで最終回直前にして衝撃の引きで終わった今回。
留学要素というのは最早ラブライブでは定番であり、スーパースターでもここにきて留学という要素を使ってきた。
参考までに、青春アニメにおける留学という要素はどのような意味を持つのかということをまとめたブログを以前書いたので、よかったらみていただきたい。
今回印象的だったのはやはりかのんに留学してほしいと言った千砂都のシーン。
留学した方が良いんじゃないかな?って思うんだけど、みんなはどう思う?ではなく、留学して欲しいときっぱり言い切るあたりが仁義の人間千砂都らしい覚悟を感じる。
これはかのんに夢を叶えて欲しいからというかのんを想っての行動でもあるし、夢を叶えられるくらい強いかのんちゃんでいてほしいという千砂都のエゴでもあると思う。
ただ、かのんの助けになりたいということが千砂都にとっての『本当にやりたいこと』であるし、その気持ちに従ってキッパリと言い切った姿もかっこいい。
千砂都は部長として常に冷静沈着で個人的な感情でグループの輪を乱すような行動はしないように心がけていた印象だったので、ここにきてこういう千砂都が見れたことを個人的には嬉しく思う。
しかし、かのんはただ千砂都の理想を演じるだけの都合の良い存在ではない。
かのんは千砂都に言われたから、ではなく、しっかり自分で考えて答えを出す必要がある。
最終回でかのんはどんな答えを出すのか?
そしてラブライブは優勝できるのか?
2期第12話へつづく・・・
ぉゎ
ラブライブ!スーパースター!!2期第10話振り返り感想
勝利のために、9人全員で東京大会に挑む覚悟を改めて決めた前回。
今回はいよいよ東京大会へ挑戦。
Liella!は果たしてサニーパッションをも倒したマルガレーテに勝利することはできるのか?
ということで、2期第10話について語っていく。
東京大会へ向けてきな子の実家のペンションで強化合宿を行うLiella!。
9人で勝つことを目指すLiella!は、より一体感を上げるために、次の曲は2年生と1年生の共作にすることに。
今まで1年生が2年生についていくという関係性だったが、実際に制作に関わることで自分の作品であるという意識を持ち、自分もLiella!の一員であるという自覚を持ってもらう為にはいい案だろう。
きな子はかのん、メイは恋、四季は千砂都、夏美は可可、すみれと協力し、東京大会で歌う曲の制作を行なっていく。
「私なんて一人じゃてんでダメ。だからきな子ちゃんが恥ずかしいって思ってくれていて、ちょっとホッとしたんだ」
「それじゃあきな子が巻き添えみたいじゃないっすか」
「いいじゃん。でもその後待っている嬉しさとか感動とかも巻き添えにできるから、きなこちゃんにやって欲しいって思ったんだ」
9人組の仲間として全員を巻き添えにしていく、むしろそれが今回の目的だ。
ラブライブのリモート会見では、Liella!はみんなを笑顔にしたいという想いを語った。
一方で、マルガレーテはラブライブがいかに低レベルであるかをスクールアイドルに知ってもらいたいという。
「私が本当の歌を教えてあげる。それだけ」
本当の歌とは何なのか。
今回の勝負は本当の歌とは何なのかに向き合い、Liella!なりの本当の歌を導き出す必要があるだろう。
「マルガレーテちゃんは、歌、ダンス共に圧倒的だった。でも、あれが本当の歌なのかな?」
「マルガレーテちゃんもきっと歌が大好き。だからこそ、歌で泣いたり、笑顔になれたりする素晴らしさを知っているはず。なのに、マルガレーテちゃんから伝わってくる気持ちは『勝つ』ただそれだけが胸に刺さる。それがまるで、氷みたいで」
かのんはマルガレーテの歌が本当の歌なのか疑問に思う。
1期最終回で『勝ちたい』という気持ちが芽生えたかのん。
もちろん勝ちたいという気持ちも大事だ。
しかし、その勝ちたいという想いが強くなりすぎて本質を見失い何度も迷走する姿が描かれてきたのが2期のストーリー。
間違いや失敗をたくさん経験して成長してきた今のかのんは、『勝つ』という気持ちだけで突き進むことの危険性を理解できている。
マルガレーテの会見を見て、誰にやらされるでもなく自主的に練習を始める1年生。
1年生の頑張りを嬉しく思いつつも、かのんは翌日練習は無しで遊ぶことを決める。
「私たちはうまくなるために、勝つためにと考えすぎていたのかもしれません」
「それを一回忘れたいんだ。歌も練習も全部忘れてみんなで楽しく遊ぼう」
1年生は遊んでいて勝てるのか?と先輩が言うことの真意をまだ理解できていない様子。
しかし、かのんはわかっている、ここで一度緩めることがむしろ勝つために必要なことであることを。
「せっかく9人になったんだし、たくさんの思い出を作ろうよ」
1年2年が一緒になって1日遊ぶ中で、絆を深めていくLiella!。
「東京大会前に遊んでみたなんて動画あげられないんですの。時間を無駄にしてしまったですの」
「でも1日全然違うことをしていただけなのに、もうレッスンしたいなって思っちゃてるっす」
合宿の間ひたすらストイックに勝つためにと厳しいレッスンを重ねているだけだったら、合宿は『辛かった』という思い出になっていたかもしれない。
しかし、1日遊ぶことで、ポジティブな気持ちで自然ともっとレッスンしたいという思いが湧き出てきた。
そして仲間と共に過ごす楽しいという気持ちが歌になっていく。
辛い思いだけをして生み出された曲では辛いという思いしか表現できない。
それはそれで一つの表現かもしれないが、Liella!が歌いたいのはみんなを笑顔にする歌、そのためには自分たちが楽しいという想いで活動していく必要がある。
辛い練習だけをして口先だけで楽しい楽しい言っていても気持ちが歌にこもらず、客には伝わらない。
日々の生き方が歌に滲み出て説得力を持たせ、それが強さになる。
ラブライブでは描かれる物語や強い想いが歌となって必殺技のような破壊力を持って表現される。
練習を積み重ね技術を磨くことももちろん大事だが、どう生きてきたかがスクールアイドルとしての強さに大きく関わってくるのだ。
「すっごく楽しくて」
「すっごく大変で」
「でも、ここにしかない喜びがあって」
「その気持ちが歌になって溢れる」
「Liella!って思えばずっとそうだったよね」
「それが、私たちにとっての本当の歌なんじゃないかな」
ついに本当の歌に辿り着いたLiella!。
あとはそれを届けるだけだ。
「私が本当の歌を教えてあげる。歌は力。そして、私は未来を私自身でビルドする。歌の力で」
「違う、違うよ。そんなの、本当の歌じゃない」
本当の歌を導き出した今のかのんは、マルガレーテの歌は本当の歌ではないとはっきり否定できる。
マルガレーテは歌の力を振りかざしているだけで、スクールアイドルのあり方とは全く異なる。
ここで歌われるのは『エーデルシュタイン』
『Butterfly Wing』と同様に中山直哉演出で圧巻のクオリティ。
マルガレーテ独自の世界観と力強さが感じられる作品になっている。
サニーパッションを倒すほどの実力を持っているという説得力を感じるパフォーマンス。
これを見た観客たちは圧倒されて言葉も出ない。
その後遅れて拍手と歓声が湧き起こる。
マルガレーテは確かに多くの観客を魅了した。
しかし、そこに込められた想いとは?
私は強い、私は勝つ。
ただ独りよがりな想いを突き刺して、それで勝てるような大会でいいのか?
スクールアイドルなんてくだらないと認めてしまっていいのか?
マルガレーテのステージでは、背景のLOVE LIVE!という文字がぼやけているのが印象的だ。
「この後に、私たちが・・・」
マルガレーテのステージを見て怯んでしまうLiella!メンバー。
これは代々木スクールアイドルフェスと同じ状況。
このままではマルガレーテに負けてしまう。
しかし、かのんだけは自信に満ち溢れた笑顔をしている。
「さあ、行こう。学校のみんなも見にきてくれてる。Liella!の歌を、渋谷の街に響かせようよ」
かのんは本当の歌に辿り着いた。
そして、マルガレーテは本当の歌ではないと気づけた。
何も怖がる必要はない、ただ本当の歌を届ければいいだけだ。
3話の時とは違い、頼もしいかのんの言葉によってみんなも笑顔になっていく。
ここで歌われるのは『Sing!Shine!Smile!』
マルガレーテが攻撃的な所謂『強い曲』なのに対し、Liella!雰囲気が全く異なるゆったりとした温かい曲。
マルガレーテの挑発には乗らず、違う土俵で戦おうという意志を感じる。
これまで先輩後輩の関係性や実力差の話を描いてきた作品だからこそ、上も下もなく9人が横一列に並ぶ仲間として結ばれたように感じられるフォーメーションが感動的。
これまでスクールアイドルをやってきて感じたことを全て詰め込んだような歌詞で、スクールアイドルの素晴らしさが感じられる。
マルガレーテは観客に突き刺したようなイメージだとすると、Liella!は観客全体を包み込むようなイメージ。
メタ的な話にはなるが、当時はまだコロナ禍でライブでの声出しが禁止だった時代で、そんな時代に観客との一体感を出せる手法としてクラップがあった。
この曲の振り付けにクラップが取り入れられているのも、そういう背景もあるのではないかと思う。
観客が簡単に真似できるクラップを振り付けに入れ込み、みんなで楽しもうという想いが感じられ、これがLiella!にとっての本当の歌なんだという説得力があるステージになっている。
マルガレーテは背景がぼやけていたのに対し、Liella!は明るくくっきりしていてLOVE LIVE!という文字がはっきり見え、これぞスクールアイドルという貫禄を感じる。
果たしてLiella!はマルガレーテに勝つことができるのか・・・?
結果は次回へお預けに。
ということで、かのんがついに本当の歌に辿り着いた回だった。
ラブライブでは、大会の具体的な描写がないため、一体どうやって勝敗がついているのかわからないという人もいるかもしれない。
ここで、自分なりにスクールアイドルはどういう戦いをしているのかということを図にまとめてみたので見ていただきたい。

まずこれが理想的な形で、かのんの言う本当の歌がこのようなものだと自分は解釈した。
想いと力、楽しむ気持ちの3つがバランスよく高いレベルにあればスクールアイドルとして強いということになる。
今回の『Sing!Shine!Smile!』はまさにこの通りで、本当の歌に辿り着けていたのだと思う。
次に、楽しむ気持ちを失ってしまった場合はこうなる。

どれだけ熱い想いや、高い技術を持っていたとしても、不安を抱えていたり、楽しむ余裕がなければ、説得力のないパフォーマンスになり観客には響かない。
1期10話で最初はすみれはセンターじゃない方がいいと言われてしまっていたのはそういうことではないだろうか。
すみれには想いも力もあった、しかし強いプレッシャーや劣等感によって想いは届かなかった。
また、サニパが敗退したのも、勝たなければいけないというプレッシャーや、強力なライバルの出現による不安のせいで肝心の想いが届かなかったのではないかと思われる。
次に、力不足だった場合はこうなる。

想いがどれだけ立派でも、それを伝える力が弱ければ多くの人には届かない。
これでは内輪受け止まり。
つまり、サンシャイン1期で東京でのイベントで0票だった時がこのような状態かもしれない。
次に、力だけを磨き続けた場合。

これがマルガレーテの状態。
マルガレーテはサニーパッションやLiella!をはるかに凌駕するほどの力を持っているが、肝心のスクールアイドルとして大切な想いがまるでない。
その強大な力によって観客に届けるのは独りよがりな勝ちたいという想いのみ。
それでも、それほどの力があれば相当なインパクトはあるし、圧倒されてしまう。
しかし、これを認めてしまうと、スクールアイドルのあり方が大きく変わってしまう。
力が全てという価値観で染め上げられ、全国のスクールアイドルたちが力を求めて必死になる。
Liella!はそれを食い止めなければいけなかった。
スクールアイドルって、本当の歌ってそんなんじゃないでしょ、と。
みんな目を覚そうよと。
スクールアイドルってこれなんだよと、Liella!が、令和の時代に京極尚彦が改めて提示する。
これがラブライブスーパースターなのだと思う。
2期のストーリーは1期最終回で芽生えた『勝ちたい』という想いから始まって、勝つためには強くならなければと必死になりすぎて楽しむ気持ちを何度も失いかけ、迷走した。
しかし、東京大会直前に、一旦全部忘れて遊ぼうという選択をした。
これがマルガレーテとの大きな差。
練習なんてやらずに遊んでれば勝てる大会なのか?っていうとそうではない。
楽しむ余裕がなくなれば、肝心な想いも磨き上げた力も全ておじゃん。
必死な顔してうまくやらなきゃ勝たなきゃという気持ちでパフォーマンスする『Sing!Shine!Smile!』に一体誰が感動するのだろうか。
勝ちたいという気持ちも大事、うまくなるために練習するのも大事、だけど楽しむ気持ちは絶対に無くしてはいけない。
そのことに改めて気づけたのは1年生のおかげ、という構成がまた美しい。
東京大会を経て物語はどう動いていくのか?
2期第11話へ続く・・・
ぉゎ